世界的「キャンピングカー」ブーム到来か 国内販売額は過去最高、ドイツは4年で登録数2倍 ヒットの理由とは
ドイツのキャンピングカーの新規登録台数が、過去最高を記録した。日本でもキャンピングカーの販売総額は、ここ10年間で3倍に膨れあがっている。ブームの背景には何があるのか。
ブームに沸くドイツ
昨年来、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、欧州連合(EU)域内では移動制限の発令と解除が繰り返されている。そんな旅行の自由が制限されるなかにおいて、ドイツ国内はキャンピングカーブームに沸いている。
不特定多数の人と接触することなく安全に少人数で移動できる上、EU域内であれば、思い思いの場所で自然を満喫できる点が評価されている。
今回は、ドイツと日本におけるキャンピングカー市場の現状についてデータを中心に紹介する。
4年で販売台数が倍増
ドイツキャラバン産業工業会(Caravaning Industrie Verband)の報告によると、ドイツ国内での2021年におけるキャンピングカーの新規登録台数は8万1420台と、過去最高を記録した。これはキャンピングカーブーム到来といわれていた2020年の記録を4.3%上回っており、かつこの4年間で2倍以上に膨らんだ。
また、キャンピングカーとキャンピングトレーラーを合わせた2021年の新規登録台数は10万台を上回った。工業会の記録で、新規登録台数が10万台の大台を超える年は2回しかない。新型コロナウイルスの感染拡大状況下において、キャンピングカーブームが堅調であることを物語っている。
キャンピングカーの登録台数が好調だった一方で、2021年の下半期は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う原材料の供給不足と、サプライチェーンの遅れの影響が顕著になる場面もあった。
その結果、2021年におけるキャンピングトレーラーの登録台数は、2020年と比較し15.2%減の2万4718台にとどまった。しかしながら新車の供給が滞り、中古車市場が加熱したことで、ドイツ国内のキャンピングカーとキャンピングトレーラーの累計登録台数は160万台以上になった。