「ライドシェア」今後どうなるのか? 今後の答えは“石川県”にあるのかもしれない 地方で進化する新交通手段の現状とは

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日本のライドシェアは都市型と地方型の2種類が存在。特に地方では持続可能な交通手段として重要で、小松市の取り組みが好例だ。

出だしは避難者限定「復興ライドシェア」

ライドシェア車両内部(画像:森口将之)
ライドシェア車両内部(画像:森口将之)

 こうしてまず2月29日に避難者限定の「復興ライドシェア」として走り始め、北陸新幹線が開業した翌月16日と17日に市民向けにサービスを拡充し、22日から定常運行が始まった。

 運行時間は17~24時で、4月下旬時点で11人のドライバーが毎週木・金・土曜日に運行を行っている。ドライバーがもっと増えれば毎日運行したいという。営業区域は小松市内全域で、発着地のいずれかが小松市内であれば、隣接する能美市および加賀市でも乗り降りできる。ドライバーの条件は、

・年齢21~69歳
・免許保有歴3年以上
・2年以内の免許停止なし
・月4回以上の運行

などとなっている。自動車保険の内容にも条件があり、車両は法定定期点検を受けてから8か月以内で、ドライブレコーダーを車内の前後に設置することが定められるなど、安全対策は万全に思えた。

 運賃は2次避難者は無料。市民や来訪者は初乗り1kmまで400円、それ以降300mごとに100円で、国の指針どおりタクシーの約8割となっており、ドライバーの報酬はそのうちの7割。それ以外に燃料代、通信費、22時以降運行の場合の夜間手当を支給している。

 今回筆者は、小松空港から粟津温泉までライドシェアを利用し、帰りはタクシーを考えた。ところが旅館でタクシーをお願いしようとしたら、

「台数が少ないのでかなり時間が掛かります」

といわれて、地方の現状を知り、30分刻みで時間指定ができるi-Chanに帰路も頼ることにした。

 いずれもマイカーを使っていたので車種はバラバラだが、運転マナーは安心できるものだった。旅館でのタクシーの1件と合わせて、交通空白をなくしたいという小松市の話に納得した。

 利用者の声としては、高齢者からはアプリの設定が大変という反応はあるもの、運行区域を金沢市まで伸ばしてほしいという要望が出ていることに加え、2次避難者からは、能登地域でも導入してほしいという意見もあるという。

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