ウクライナへの航空支援拡充! 早期警戒機「サーブ340AEW」がもたらす戦局の“転換点”をご存じか

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スウェーデンはウクライナにサーブ340AEWを供与する。これは、戦争が長引き、戦線が逆転する可能性を示唆しており、西側諸国からの支援が新たな展開をもたらすだろう。

デルタ・システム全面展開

スウェーデン空軍のページ(画像:スウェーデン国防軍)
スウェーデン空軍のページ(画像:スウェーデン国防軍)

 デルタ・システムがウクライナ軍に全面展開されたのは2023年2月だが、2023年6月のNATO年次演習CWIX-2023では、本システムでLINK-16データリンクによる情報共有が可能なことも証明されている。サーブ340AEWによって取得された情報もデルタ・システムで共有できるとなれば、ウクライナ全軍がAEW機の探知した情報を使用できることになる。

 サーブ340AEWは、低空を飛行する巡航ミサイルやヘリコプターなど、地上レーダーでは探知しにくい脅威を、遠距離から探知することが可能である。その情報がデータリンクでデルタ・システムへ送られれば、F-16やミラージュ2000戦闘機だけでなく、地上防空部隊や前線部隊にとっても重要な情報リソースになる。

 サーブ340AEWが搭載するASC 890レーダーは、

・戦闘機:300~400km
・巡航ミサイル:約150km

の距離で探知できるという。ウクライナの西部や中部地域の上空から、東部での航空作戦を支援することも可能だし、より東部へ進出させれば、巡航ミサイルやドローンなど小型目標への対処も可能だ。サーブ340AEW にはNATOが装備するAWACSほどの能力はないものの、うまく使えばウクライナ軍の作戦能力を大きく向上させる。

 現在ウクライナは守勢に立たされていると報じられているが、航空戦力のバランスが変化することで、

・ウクライナ軍による戦線の巻き返し
・戦争の長期化

をもたらす可能性もある。加えて西側各国は、自国が供与した兵器をロシア領内の攻撃に使用することを認めるようになっており、西側諸国による一連の航空兵器供与は、ウクライナの戦争に新しい展開をもたらすかもしれない。

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