「高学歴な人」ほど移動中にスマホ操作 東大3000人調査で分かった“意外な相関関係”とは
人々の移動と、さまざまなメディアを利用する「情報行動」は、どのように行われているのか。東京大学による調査をひも解き、その特徴を探る。
性別・年齢・学歴で明確な違い

スペースの都合上、すべての属性についての傾向を詳しく示すことは控えるが、まず性別では、女性がモバイル機器でのメールとソーシャルメディアの閲覧がそれぞれ約16%であるのに対して、男性は10%前後にとどまっているのが特徴的である。逆に男性はラジオが約10%で、女性を上回る結果となっている(以下を含めて、いずれも統計的に意味を持つ差である)。
年齢別では、10代と20代におけるインターネット利用が、移動中以外を含む一般的な利用傾向と同様に高い特徴があり、20代のソーシャルメディア利用が全体の13.1%に対して35.6%と突出して高くなっている(10代も27.8%)。
これより上の世代で特徴的なのがラジオで、全体の利用が7.9%であるのに対して、50代では12.5%と1割を超えており、対象者全体の広がりを考えると、この世代に活発に利用されていると考えてよいだろう。
一般の傾向と同じく若年層のインターネット利用、高年齢層のマスメディア利用といった特徴がうかがえるが、ワンセグなどによるテレビ放送(録画を除く)も10代と60代では同じ13.5%として活発に利用されている傾向が見られた。
その上で学歴による差を詳しく見ていこう。
在学者を含んでおり、また年齢が作用しているところがあるので結果の読み取りには注意が必要であるが、中学卒(以下、在学を含む)では「テレビ放送」の比率が高いのに対して、高校卒では「メール」、大学・大学院卒では「ソーシャルメディア」の利用が高いという傾向が明らかになった。