「足立区 = ヤバい地域」なんて、まだ本気で思ってるの? 改善データを見れば一目瞭然、あの“人気バラエティー番組”の功罪と現実
足立区はメディアでいいはやされるような「ヤバい地域」ではない。20年間で犯罪件数は78%減少し、特に侵入窃盗などは90%以上の大幅な減少を遂げている。この変化は、区政の強力な治安対策と、住民との協力によるものだ。しかし、メディアのステレオタイプ報道が未だに根強く残る現状もあり、区の実際の姿を正確に伝える必要がある。
体感治安向上の取り組み
こうした声を受け、足立区は竹の塚で重点的な対策を進めている。例えば「青色パトカーの巡回、防犯カメラ設置」による防犯対策、「道路や公園のごみの清掃」によるまちの美化、「路上駐輪対策、自転車運転マナー改善」による自転車問題への取り組みなどだ。
また、若年層や居住年数の短い住民の不安感を解消するため、地域と交流し、緩やかなつながりをつくりながら、地域に根差した活動に参加できる場づくりにも注力。公園など公共空間の活用や、鉄道高架下の空間活用などを通じて、地域コミュニティーの活性化を図っている(「足立区体感治安の改善に向けた取組方針」)。
竹の塚の事例は、足立区の治安対策が単なる犯罪抑止にとどまらず、住民の体感治安の改善と地域コミュニティーの再生という複合的な課題に取り組んでいることを示している。課題解決のカギは、住民の声に真剣に耳を傾け、地道で継続的な取り組みを進めていくことにありそうだ。
足立区は「小さな行動から始め、短い周期のPDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルで取り組む」という方針を掲げている(「足立区体感治安の改善に向けた取組方針」)。竹の塚での試みを足がかりに、区内各地で住民参加型の治安対策を展開していくことが期待される。