「足立区 = ヤバい地域」なんて、まだ本気で思ってるの? 改善データを見れば一目瞭然、あの“人気バラエティー番組”の功罪と現実

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足立区はメディアでいいはやされるような「ヤバい地域」ではない。20年間で犯罪件数は78%減少し、特に侵入窃盗などは90%以上の大幅な減少を遂げている。この変化は、区政の強力な治安対策と、住民との協力によるものだ。しかし、メディアのステレオタイプ報道が未だに根強く残る現状もあり、区の実際の姿を正確に伝える必要がある。

治安改善の実態

『ルポ 下層社会』を収録する佐野眞一『この国の品質』(画像:ビジネス社)
『ルポ 下層社会』を収録する佐野眞一『この国の品質』(画像:ビジネス社)

 それでもなお、足立区はメディアでいいはやされるような「ヤバい地域」なのだろうか。まず、この点をデータから検証してみよう。

 足立区のデータによると区内の刑法犯認知件数は、ピーク時の2001(平成13)年と比較すると大幅に減少している。2001年には1万6843件もあった刑法犯認知件数は、2020年には3693件にまで減少した。これは、約20年間で78%もの減少だ。

 犯罪の内訳を見ても、侵入窃盗は1572件から128件と92%もの大幅な減少を達成した。特に

・空き巣:806件から41件へ
・忍込み:133件から17件へ

と、いずれも90%以上の減少率を示している。粗暴犯も477件から294件と、38%の減少を達成した。凶悪犯に至っては、119件から27件と、77%もの大幅な減少を実現している。

 非侵入窃盗についても、1万1878件から2379件と80%の減少を達成した。特に足立区で横行する犯罪とされていた、自転車盗は3928件から1106件へ、車上狙いは2703件から117件へと、いずれも60%以上の大幅な減少を示している。

 したがって、足立区が特別に治安の悪い「ヤバい地域」という評価は、一部の地域の状況から区全体を判断した短絡的なイメージであり、実態とは乖離(かいり)しているのだ。しかしながら、過去のイメージが根強く残っており、足立区に対する偏見が完全に拭い去られたとはいい難い。こうしたイメージの更新が求められている。

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