物流危機で注目「ダブル連結トラック」 これを“2台分の手積み&手卸し”と考えるドライバーは時代遅れだ! 有効活用を直視せよ

キーワード :
, ,
1台で大型トラック2台相当の貨物を輸送できるダブル連結トラックは、ドライバー不足対策の切り札として大いに注目されている。だがその運用には課題もある。

運行ノウハウが必要なダブル連結トラック

センコー 事業政策推進本部 輸配送事業推進部 常務理事 殿村英彦氏(画像:坂田良平)
センコー 事業政策推進本部 輸配送事業推進部 常務理事 殿村英彦氏(画像:坂田良平)

 ドライバーの育成はどうなのか。

「センコーでは、滋賀県内に大型自動車免許の指定教習所を所有していますので、ダブル連結トラックの運行に必要な教習も自社で行っています」(殿村氏)

 ダブル連結トラックの運行は、車両を購入すればそれで運行開始できるというものではない。通行許可申請、ドライバーの育成に加え、ダブル連結トラックの運用に適した物流センター・営業所も必要となる。

 また、ダブル連結トラックについては、車両整備のノウハウも、従来のトラックとは少し変わってくる。前編で紹介したネクスト・ロジスティクス・ジャパン(NLJ、東京都新宿区)では、トラクタ(けん引する側の車両)とトレーラー(けん引される側の車両)をつなぐドリーの連結部分(ピントルフック)の摩耗について、独自の安全基準を持っているという。

 こういった事情を鑑みれば、国内運送会社の大多数を占める中小運送会社が、ダブル連結トラックの運行を行うのは、相当難しい。国内の運送会社は、従業員数20人以下の中小企業が71.4%を占め、逆に従業員数が1000人を超える大企業は、6万3000社強の運送会社のうち、72社しかないのである。

全てのコメントを見る