テスラ充電器部門「閉鎖」の衝撃! EV市場“需要鈍化”に新たな課題、影響は国内メーカーにも

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米国に本社を置くテスラは、EVに特化した世界最大級の自動車メーカーだが、充電器部門は2024年4月末で閉鎖され、従業員も削減される。その影響とは。

国産メーカーにも影響

テスラのEV用急速充電規格NACS用の充電コネクタ(画像:テスラ)
テスラのEV用急速充電規格NACS用の充電コネクタ(画像:テスラ)

 海外メーカーだけでなく、国内メーカーもすでにNACSへの支持を表明しており、今後のEV開発に影響を与えそうだ。

 国内メーカーで最初にNACSへの支持を表明したのは日産自動車で、2024年以降に発売するEV「アリア」と、それ以降に開発するEVにNACSコネクタを使用できるアダプターや充電ポートを設置するとしている。

 アダプターはアリアのもともとの充電ポートと他規格を接続する暫定的なものだが、それ以降のEVにはNACSになるため、規格統一に向けた動きといえる。

 トヨタは現在、量産EVをかなり限定的に販売しているが、2025年以降に販売するEVにはNACSを採用すると発表しており、今後のEV事業拡大にはテスラの存在が欠かせない。

 2023年から2024年初頭にかけて、多くの自動車メーカーがNACSへの同様の対応を発表するなか、開発に携わるテスラがEV業界全体にブレーキをかける状況は、EV業界の停滞を招く可能性がある。

 現在、世界的なEV需要の伸びが鈍化し、テスラ自身の販売台数も初めて前年割れに転じている。テスラは大胆なコスト削減や方針転換をたびたび行っており、充電器部門の閉鎖は再編への足がかりと見ることもできるが、世界中のメーカーを巻き込みかねない事態だけに、今後の動向に注視が必要だ。

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