自動車排除の流れは加速する? コロナ禍で変化する道路行政、これからは「歩行者の時代」到来か
公共施設への公開空地導入で、飲食店の需要が急拡大している。飲食店内での食事が密とされて忌避される風潮が高まったため。行政は新たにオープンスペースを創出する政策を検討している。
コロナ後に大きく変わる道路行政
そのひとつが「道路のオープン化」だ。
道路のオープン化は、2010(平成22)年前後から議論されてきた政策課題だった。当時は道路整備に民間資金を活用することで、道路に振り分けていた税金を縮減するという意図から出発している。
欧米諸国では、近隣の店舗が歩道にイスやテーブルを置いてオープンカフェとして利用することは珍しくない。
日本にも、自動車を道路空間から排除する歩行者天国と呼ばれるシステムがある。渋滞悪化の原因になるとして廃止された歩行者天国もあるが、近年は歩行者優先の考え方が強まっていることもあって再開もしくは拡大する動きも見られる。
コロナが収束する時期は不透明だが、いずれにしてもコロナ後の道路行政が大きく変化することは間違いない。くしくも、コロナ禍が道路のオープン化の議論に一石を投じることになった。