深夜の「高速バス」でなかなか眠れないとき、あなたは何を考えているのだろうか?
大阪在住のフリーライターである筆者は、かつて東京との往復に何度も夜行バスを利用した。本稿はそのときに感じたことの一部であり、本質である。
東京から大阪へ転居

私(スズキナオ、フリーライター)は大阪に住んでフリーライターの仕事をしている。大阪に引っ越してきたのは10年ほど前のことで、それまでは長らく東京を生活の拠点にしてきた。
30代の半ばまで渋谷のIT企業に勤めていたのだが、家庭の事情もあり、心機一転、会社を辞めて大阪に転居し、フリーライターとして生きていこうと決意したのだった。
そして大阪へやって来たものの、フリーライターと名乗ったところで仕事がいきなり舞い込むわけでもなかった。ここ数年ほどでようやくコンスタントに仕事をもらえるようになったが、大阪に来たばかりの頃は、とにかく暇で暇で仕方なかった。
大阪の街並みや文化は新鮮で楽しいのだが、仕事がなく心細い日々を過ごしていると、今まで長く暮らした東京が恋しくもなる。東京へ行きたいが、そうとなれば当然交通費がかかる。
新幹線に乗れる身分ではないしな……と、検討した末にたどり着いたのが
「高速バス」
という交通手段だった。