北陸新幹線「大阪延伸」 代替“米原ルート”は事業費7割オトクも、実現困難! いったいなぜなのか

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北陸新幹線の大阪延伸のめどが立たないなか、石川県や富山県では米原ルートの再検討を求める声が出始めている。しかし、ルートが変更されたとしても多くの問題が残っている。

建設費や工期では米原ルートが優位

米原ルートで東海道新幹線と接続する米原駅(画像:高田泰)
米原ルートで東海道新幹線と接続する米原駅(画像:高田泰)

 米原ルートは2016年、政府与党が小浜・京都ルートで合意するまで大阪延伸の最有力ルートといわれていた。近畿地方とその周辺県で組織する関西広域連合も、米原ルートで動いていた時期がある。

 国土交通省が2016年に試算したところによると、金沢市の金沢駅から新大阪駅までの移動時間、運賃は、

・小浜・京都ルート:1時間19分(8740円)
・米原ルート:1時間41分(1万1190円)

速達性と運賃では小浜・京都ルートに軍配が上がる。

 しかし、小浜・京都ルートが敦賀駅からの総延長143kmで、工期15年、事業費約2兆1000億円と推計されたのに対し、米原ルートは

・総延長:50km(小浜・京都ルート比65%減)
・工期:10年(同33%減)
・事業費:約5900億円(同72%減)

建設費や工期では米原ルートが優位に立つ。しかも、事業費は昨今の物価高で想定額を大きく上回りそうな状況だ。小浜・京都ルートの費用対効果は1.1。このまま物価高騰が続けば投資効果があるとされる1.0を下回ることも十分に考えられる。これに対し、米原ルートは

「2.2」

ある。

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