EV時代を切り開く! 日産の次世代電動パワートレイン「X in 1」は何がスゴいのか

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EVは電気モーターなど電動車専用に設計されたパワートレインを搭載している。「X in 1」アクスルは、その次世代を担う仕様として期待されている。

省スペース化と軽量化

EVのイメージ(画像:写真AC)
EVのイメージ(画像:写真AC)

「X in 1」アクスルは、日産に限らず多くのメーカーやサプライヤーが次世代への採用を検討しているが、採用するメリットはいくつか共通している。

 まず、日産の例のように電動車用アクスルの省スペース化を可能にし、複雑なシステムを持つ電動車用のコンポーネントを統合できるメリットがある。省スペースであるため、車両への搭載が容易で、小型車から大型車まで共通に使用でき、かさばる箱物が不要になるため軽量化も図れる。

 日産の例にあるように、30%以上の小型化が見込めるのは、自動車用ユニットの小型化という点では驚異的なことであり、世界中が注目している理由がよくわかる。

 また、ユニットの小型化によるコストダウンに加え、もうひとつは、強電ハーネスの大幅な削減である。電動車用のコンポーネントは駆動用バッテリーから電力を供給されるため、電線となる強電ハーネスが必要となる。電動コンポーネントが別々に取り付けられている場合、各コンポーネントを接続するために強電ハーネスが必要となる。

 強電ハーネスは高電圧の電力を扱うために特別に設計されており、材料である銅の価格が高いため、非常にコストがかかる。「X in 1」アクスルでは、各ユニットを接続するための強電ハーネスが不要となるため、さらなるコスト削減が期待できる。

全体として、「X in 1」アクスルはまだ研究中のシステムだが、現在でもメーカーやサプライヤーは、特定のコンポーネントに適用することで小型化とコスト削減に取り組んでおり、その日々の進化に注目していきたい。

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