EV時代を切り開く! 日産の次世代電動パワートレイン「X in 1」は何がスゴいのか

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EVは電気モーターなど電動車専用に設計されたパワートレインを搭載している。「X in 1」アクスルは、その次世代を担う仕様として期待されている。

日産の電動アクスル革新

パワートレインの小型化。体積比(画像:日産自動車)
パワートレインの小型化。体積比(画像:日産自動車)

 次に、日産における電動アクスルの進化を踏まえて、「X in 1」アクスルが目指すものを見てみよう。

 日産は電動車を量産した最初の自動車メーカーであり、2010(平成22)年という非常に早い時期から量産EVリーフを販売していた。リーフの初期モデルは、「X in 1」アクスルなどではなく、電動車用の部品がすべて独立して搭載されていた。

 各コンポーネントがクルマの各所に配置されていたため、スペース効率と重量が問題となり、後に電動アクスルとして統合し、小型化する努力がなされた。初代リーフは開発途中でマイナーチェンジが行われ、その時点でモーター、インバーター、減速機が一体化され、「X in 1」アクスルの“走り”となった。

 現行モデルの2代目リーフでは、電動アクスルが1ユニットに改良され、初代リーフの25%のスペースが節約された。しかしこの時点では、個々のコンポーネントを収めた箱物が合体したに過ぎず、「X in 1」アクスルではない。

「X in 1」アクスルは、3 in 1アクスルで、モーター、インバーター、減速ギア、その他の部品をひとつの箱物に収め、さらにスペースを節約するもので、日産は現行リーフの電動アクスルをさらに10%小型化できると見込んでいる。

 また、日産は「X in 1」アクスルをEVだけでなく、ハイブリッド車であるeパワーシステムにも応用する計画で、発電用の発電機と増速機を組み合わせた「5 in 1」アクスルになる見込みだ。

 この「5 in 1」アクスルは、初期のeパワーシステムから30%の小型化が期待されており、小型化効果は大きい。箱物はEVとeパワーの両者専用だが、内部のコンポーネントはコスト削減のために共有化される見込みだ。

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