無線で進化する自動車! テスラがリードし国内メーカーも追随する「車載OTA」とは何か
OTAとは、無線でデータを送受信する技術の総称である。この分野ではテスラが一歩リードしているが、日本メーカーも将来的には量産車にOTAを本格採用する意向だ。
先行するテスラの実績

車載OTAの分野で世界をリードするメーカーのひとつに米テスラがあり、同社の一連の電気自動車(EV)にはすでにOTAが標準装備されている。テスラは新興の自動車メーカーだが、さまざまな先進技術を採用した独自の設計要素を持っており、そのひとつがコネクテッドカーだ。
コネクテッドカーとは、クルマをインターネットに接続してさまざまなサービスを提供するシステムのことで、テスラのEVはこのコネクテッドシステムを利用して、車内でナビゲーションシステムにアクセスしたり、インターネットを閲覧したり、動画を見たりすることができる。
また、自動運転車の実現にも力を入れており、オートパイロットと呼ばれる半自動運転システムが実用段階の量産車に採用されている。
そして、テスラはコネクテッドカーの特長を生かしたOTAをすでに活用しており、さまざまな局面で活躍している。車載ソフトウエアやファームウエアのアップデート、トラブル対応にも活用されており、テスラが開発中の完全自動運転システム(FSD)の実装にも活用されている。
FSDは現在、海外でベータ版として試験的に自動運転に使われているが、まだ完成されたシステムではなく、さまざまな問題や課題を抱えている。その完成度を高めるためにOTAによるアップデートが随時行われており、開発中の車両だけでなく、すでに販売された車両にも最新のFSDが即座に反映されるのがOTAの大きなメリットだ。
テスラはすでに年間100回以上のアップデートをOTAで実施しており、車載OTAの経験値ではテスラが優位だろう。