JAL・ANAはかつて“特権階級”だった! 市場激化で「就職先」地位の低下も、女子学生からは圧倒的支持のワケ
航空会社の人気はその時々の状況に大きく左右され、就職における「社会的地位」は総じて低下する傾向にあると筆者は指摘する。いったいなぜか。
女子学生人気の背景
しかし、女子学生にとって、航空会社への就職人気は依然として高い。経済メディア・ダイヤモンドオンラインが2024年5月15日に発表した「息子・娘を入れたい会社2024」ランキング(ベスト10)によると、2023年春は
●文系女子
・JAL:7位(2010年ランク外、2000年4位)
・ANA:4位(2010年ランク外、2000年3位)
●理系女子
・JAL:5位(2010年ランク外、2000年ランク外)
・ANA:7位(2010年ランク外、2000年ランク外)
となっており、その結果について「業績が好調で知名度の高い大手企業に人気が集中した」ためと書いている。
筆者は加えて、航空会社は福利厚生が充実しており、働きやすいことを指摘する。資生堂などと並んで、女子大生の就職先として航空会社は常に上位にランクインしている。サービス業として、イメージ戦略として、女性の感性が強く求められ、活躍がイメージしやすいからだろう。
客室乗務員(CA)の華やかなイメージも大きい。実際には、CAの待遇は“隔世の感”があるほど厳しくなっている。かつて経営が絶頂期だった頃は、CAの待遇は経済的にも社会的地位の面でもトップクラスといってよかった。
しかし現在では、仕事量は増え、見返りはそれほど大きくない。実際、想像上のヒエラルキー(階級)でいえば テレビ局のキー局のアナウンサーがトップだろう。とはいえ、華やかなイメージは健在で、また、事務職の働きやすさも、女子学生の就職が人気なのはうなずける。
先日、JALには女性社長が誕生した。ここに引かれる女子学生は確実にいるだろう。男女機会均等という評価は確実に高まる。