中国・台湾で暮らした私が「ライドシェア」をもっと推進すべきと考える当然の理由 “日本版”は明らかな失敗作である!

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グローバルスタンダードと背離する「日本版ライドシェア」。日本のデジタル化の遅れやタクシー業界の影響もあり、健全な発展が阻害されている状況だ。

自営業者の緊張感

タクシー会社のイメージ(画像:写真AC)
タクシー会社のイメージ(画像:写真AC)

 車内に忘れ物をした場合も、アプリの乗車記録が残るので追跡が容易だ。親切なドライバーであれば、向こうから連絡をくれるかもしれない。

 現行の制度では、ドライバーはアルバイト・パートとして雇われているため、飲酒運転をしたり事故を起こしたりしても、ある程度は雇用が守られる。一方、本来のライドシェアはドライバーは

「自営業者」

だ。個人事業主として働くため、違反や事故を起こせば自身の生活に直結する。どちらがより緊張感を持って運転するかと考えれば、明らかに後者だろう。

 今でも地方都市などに行くと、タクシー会社に片っ端から電話をかけて車を手配しなくてはいけない場面があり、日本のデジタル化の遅れっぷりを痛感させられる。こんな不合理なことを延々と続けている国は、ほかにあるのだろうか。

 結局のところ、日本版ライドシェアという極めていびつシステムを続ける理由は、

「タクシー会社の利益を守るため」

なのだろう。結果として日本は車移動がしにくい社会になっている。

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