「働かない社員」を簡単にクビにしてはいけない! 昭和の炭鉱労働者に学ぶ、日本人が失った真の「生産性」とは
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かつて福岡県の筑豊地方には多くの炭鉱会社があった。その従業員のなかに「スカブラ」と呼ばれる、従業員同士の“潤滑油”のような役割を果たす人たちがいた。現代社会は「スカブラ」から何を学べるか。
組織に求心力が発生する
「スカブラ」社員が意図せずやっていた(かもしれない)インフォーマルグループの構築は、さまざまな効能を組織にもたらす。最も重要なのは
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「求心力の向上 = 組織や仲間への愛着」
である。これが高まれば、
「こういう仲間がいるから、ここで働く」
「仲間と一緒に何事か成し遂げたい」
となり、働くモチベーションは高まる。
また、組織に悪いところがあっても、人ごとのように非難したり、会社を辞めたりするのではなく、
「わがこと」
として改善しようとする。そして、組織への求心力は、「ここにいたい」という気持ちを醸成するため、当然ながら退職の防止にもつながるであろう。
組織の創造性を強化する
他に、「スカブラ」社員の現代的な意味もある。それは組織の
「創造性」
の強化である。炭鉱では創造性は求められてはいなかったかもしれないが、現代のあらゆる仕事で、いかに新しいものを創造するかは重要課題である。
「新結合」
とも呼ばれるイノベーションは、複数の製品・生産方式・販路。原料・組織などが結び付くことで、新しい何かが生まれる。
そのためのアイデアや知識は、通常、個々人の頭のなかにあり、これらを結び付けるには、アイデアを持った人同士が何らかの形でコミュニケーションを取る必要がある。そして、インフォーマル・グループはその
「経路」
となるのだ。