旅客・貨物需要で絶好調の「フェリー」 しかし航路数は20年で「約3割」も廃止されていた!【短期連載】海洋国家にっぽんのフェリー進化論(1)

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現在、海外からのインバウンド旅客需要や「2024年問題」により貨物需要が期待されている。一方で、少子高齢化による人手不足、定期旅客数の減少など逆風も吹いている。

国内フェリーの現状

さんふらわあ ぱーる(画像:商船三井さんふらわあ)
さんふらわあ ぱーる(画像:商船三井さんふらわあ)

 2023年時点で、旅客船事業における事業者数、航路数、隻数は次のとおりだ(日本旅客船協会のデータより)。

・事業者数:917社(うちフェリー132社。約14%)
・航路数:1732航路(うちフェリー152航路。約9%)
・隻数:2104隻(うちフェリー253隻。約12%)

 152航路、253隻の大小さまざまなフェリーが日夜人や車両を運んでいるものの、全旅客船事業のなかではフェリーの占める割合は

「1割前後」

と意外と少ないことがわかる。

 また、152航路のうち陸上輸送のバイパス的な役割を担い、かつ片道の航路距離が300km以上のフェリー(離島航路を除く)を長距離フェリーという。国土交通省の資料によると2023年3月31日現在で、

・事業者数:9社
・航路数:12航路
・隻数:41隻

とあり、長距離フェリーとなるとさらに数が限られてくる。

 国内における長距離フェリーといえば、

・新日本海フェリー(北海道と敦賀・舞鶴といった日本海側の都市を結ぶ)
・商船三井さんふらわあ(北海道と首都圏あるいは関西と九州各地を結ぶ)

などがある。

 ちなみに、片道の航路距離が100km以上300km未満のフェリーを「中距離フェリー」という。

・シルバーフェリー(苫小牧と八戸を結ぶ。川崎近海汽船)
・オレンジフェリー(関西と愛媛の東予・新居浜を結ぶ。四国開発フェリー)

などがある。

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