国内4割の「橋」は築50年以上! 深刻化する“インフラ危機”にドローンが期待されるワケ

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ドローンと聞いてまず想像するのは美しい空撮映像かもしれない。しかしその本領は、市民生活の安全を守る場面でも発揮されるのだ。

なぜドローンが暮らしを安全にするのか

インフラの現場で活用されるドローンのイメージ(画像:写真AC)
インフラの現場で活用されるドローンのイメージ(画像:写真AC)

 国が管理する橋や道路は、定期的な点検や予防的な修繕が施されている。しかし、都道府県や市町村が管理するものの中には、長期の修繕計画が策定されていないものもある。

 原因は財政力とマンパワー、そして専門的知識の不足である。そこで注目されるのがドローンというわけだ。

 これまで、点検作業は人が担っていた。主にハンマーを使った打音検査と呼ばれる方法が採られており、その作業には知識と経験が必要とされていた。

 しかし、人口減少と高齢化により、点検作業ができる人材は年々少なくなっていく。高所の点検作業は足場を組む必要があり、多大なコストがかかる上に、作業員の安全性の確保も大きな課題だった。

 一方、こうした作業をドローンができるようになれば、点検にかかる日数は大幅に短縮できる。コストダウンだけでなく、作業員の知識不足を補い安全性の担保も可能だ。

 ドローンによる点検が行われているのはインフラだけではない。すでに石油会社のタンクや発電所のボイラー、煙突点検にも活用されている。高い安全性が求められる石油会社や電力会社の設備には橋やトンネルより高頻度での点検が必要なため、ドローン活用のメリットは大きい。

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