自動車メーカーに潜む「尖閣リスク」 南シナ海では中国海警局の暴力が横行、安全保障問題だけとして捉えてはいけないワケ

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日本企業の中国における日常的なビジネスは、中長期的に継続するだろう。しかし、中国に進出している企業、特に大手自動車メーカーが注意すべき安全保障上のリスクがある。それが「尖閣リスク」である。

中国進出企業に潜むリスク

ホンダのロゴマーク。2022年11月8日撮影(画像:AFP=時事)
ホンダのロゴマーク。2022年11月8日撮影(画像:AFP=時事)

 今後も米中の間では貿易摩擦が確実視されるなか、大手自動車メーカーなど日本企業は積極的に中国ビジネスを展開している。

 4月下旬、トヨタ自動車は北京モーターショー2024での記者会見で、中国インターネット大手テンセントと戦略的な提携関係を強化すると発表した。トヨタ自動車は4月上旬にも、中国国有資源大手の中国五鉱集団と電気自動車(EV)など、電動車の使用済みの車載電池の再利用で協業することを発表し、現地に合弁会社を設立する予定となっている。

 ホンダも4月、中国市場へ新たに投入する新型EVモデル「イエシリーズ」を発表した。今回はイエP7、イエS7、イエGT CONCEPTの三つのモデルを公開したが、今後は中国において2027年までに6機種の投入を予定するという。2023年、二期連続で過去最高を更新したいすゞ自動車も中国事業からの撤退は検討しておらず、今後もパートナーと協力し事業拡大に向け活動していくとの方針を示している。

 今後、日中の間で大きな政治的問題が生じなければ、脱中国依存を進める動きもあろうが、こういった日本企業の日常的な中国ビジネスは中長期的に続いていくだろう。しかし、大手自動車メーカーを中心とする中国進出企業には注意するべき安全保障上のリスクがある。それが

「尖閣リスク」

だ。

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