「木を見て森を見ず」 バスドライバー不足で「給料上げろ」ばかりを騒ぎ立てる有識者の功罪【連載】ホンネだらけの公共交通論(7)

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バスドライバー不足をめぐる議論では、とにかく給料を上げるべきだという有識者もいる。物事はそんなに単純ではないし、ひとつの分野の知識だけで議論すべきではないのだ。

財源確保の多彩な提案

路線バス(画像:写真AC)
路線バス(画像:写真AC)

 財源確保、予算の付け替え、あるいはその代替案など、いろいろなアイデアがある。これまでも当媒体で書いてきたように、

・営業所を貸し出す策
・貨客混載
・買い物バス

など、資金を確保するためのアイデアはたくさんある。つまり、2024年問題を考える際には、「木を見て森も見る」が肝要なのである。

 もちろん、バスドライバーの給料引き上げの必要性は十分承知している。問題は、そのための財源確保の考え方である。この点に言及しない限り、現実的な解決策は出てこない。

 交通はシステムである以上、システム思考の基本である「木を見て森も見る」が必要であり、物事をシステムとして捉えることが重要である。

 2024年問題を解決するためには、単一の視点ではなく、幅広い分野を俯瞰(ふかん)し、「何をすべきか」という多角的なアプローチが求められるのだ。

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