公道の嫌われ者? 日本で「電動キックボード」が普及しないワケ 便利さに見合わぬ道路事情とは
国内でも少しずつ認知度が高まっているものの、本格的な定着にはまだ時間が掛かりそうな「電動キックボード」。普及を阻むものは何か、仏パリとの比較から検証する。
国家的な戦略見直しが不可欠だ
このような状況を打開するには、東京都だけでなく、国による大胆な交通政策の見直しが必要だ。なぜならば、パリのモビリティ変革の背景には、パリ市だけでなく、フランス政府が国家プロジェクトとして打ち出した交通政策があったからだ。
東京は、鉄道をはじめとする公共交通が特異的に発達している半面、ラストワンマイルの移動においてはまだ弱みもある。そのことを踏まえ、国内外の先進事例をうまく取り込んでモビリティの選択肢を広げることができれば、東京はもっと移動が便利で魅力的な都市になる可能性がある。