「迷わずに着けるのか」 北陸新幹線・敦賀駅“乗り換え不便”で感じる精神的ストレスの数々! しかし、メリットもきちんとありました

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北陸新幹線が金沢駅から敦賀駅まで延伸された。これにより、これまで関西から金沢まで乗り換えなしで移動できていた乗客は、敦賀駅で在来線から新幹線に乗り換えなければならなくなった。今回は、乗り換えの際に感じるストレスについて考えてみたい。

全国展開する「乗り換え削減」の動き

敦賀駅(画像:写真AC)
敦賀駅(画像:写真AC)

 鉄道会社にとっては、乗り換えが少なくなることはメリットばかりではない。

 1本の列車が長い距離を走るほど、ダイヤを組むのが難しくなるし、遅延の影響は広範囲に及んでしまう。しかし、鉄道各社はそれ以上に、乗客が感じる乗り換えのストレスを理解し、それを軽減しようと努力しているようだ。

 かつて東京の西側を走る電車のなかで、東京東側の都心部に直接乗り入れている路線はJR中央線だけだった。しかし、池袋、新宿、渋谷などをターミナルとする私鉄各社は、地下鉄各社と手を組んで相互乗り入れを実現することで、東京東側の都心部まで乗り換えなしで行けるように線路を整備し、路線の価値を高めてきた歴史がある。

 このような

「乗り換えを少なくする取り組み」

は東京に限らず全国のいたるところで行われている。今回の関西と金沢の乗り換え問題も、東京の側から見れば関東から敦賀まで乗り換えなして行けるようになったことの“裏返し”でもある。

商業発展と歴史的結節点

秋津駅の駅前の街並み(画像:写真AC)
秋津駅の駅前の街並み(画像:写真AC)

 このように利用者から面倒だと敬遠される乗り換えだが、地域社会から見ると、乗り換えの発生はメリットになる場合もある。

 例えば、東京の西武池袋線と武蔵野線の乗換駅である秋津駅と新秋津駅の間は、駅からいったん出て10分近く歩かねばならない「不便な乗り換え場所」である。しかし、ふたつの駅の間には乗り換え客を狙った飲食店街が形成されていて、時間帯によっては、都会の繁華街と比べても遜色ないほどのにぎわいを見せる。

 この通りから少し離れれば、農地や森林が点在する典型的な郊外の景色が広がっている場所なのだが、ここだけは、夕方には多くの通勤客が乗り換えついでに焼き鳥を片手に仕事帰りの一杯を楽しむ魅力的なエリアとなっている(あくまでも酒飲み目線での魅力だが)。

 考えてみれば、こういう例はそこら中にある。空港や港といった乗り換えポイントは、古くから多くの客がそこに一定時間滞在するおかげで商業施設が発展し、にぎわってきた。水運が東京の輸送の中心だった時代には、水路と陸路の結節点を中心に街が発展してきた歴史もある。

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