年間“42時間”も無駄! 交通渋滞は貴重な「時間」「お金」を捨てる行為だ
世界中の多くの人々が、道路をゆっくり走ることで貴重な時間とお金を無駄にしている。ときは金なり。何とかならないものだろうか。
渋滞税がもたらした変革と影響
日本は山間部が多く、人口は平野部の都市に集中している。そのため渋滞が発生しやすく、東京で車を運転するのはストレスがたまる。参考までに海外の例を見てみよう。
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英国では、首都ロンドンへの人口集中が都心部の深刻な渋滞を引き起こした。ビッグデータもスマートフォンもなかった2003年、その解決策として
「渋滞税」
が導入された。
約40年にわたる議論の末に実現し、日本の高速道路のように、都心に乗り入れる車が有料化された。導入当時は1日5ポンド(約1000円)だったが、現在はなんと15ポンド(約3000円)となっている。ロンドン中心部で日中に車を運転するのは、富裕層だけのぜいたくになってしまった。
その結果、渋滞は30%緩和され、交通量は15%減少した。交通事故は40~70%減少し、年間250万ポンド(約5億円)の燃料節減、年間7800万ポンド(約150億円)の経済効率性につながった。
ロンドン交通の対策は、渋滞の緩和という点では非常に効果的だったが、必ずしもすべての人の生活の利便性を向上させたわけではない。
例えば、どうしても都心まで車で移動しなければならない事業者の経済的負担は劇的に増加した。また、バイクは渋滞税の対象外であるため、英国の寒い冬には風雨のなかをバイクで通勤せざるを得ない一般人もいた。行政のスタンスは、
「それが嫌なら公共交通を使ってほしい」
だった。