「Appleのパクリ」はもはや過去! 中国シャオミ初EV「SU7」受注7万台突破と新経済圏ブチ上げ、米中貿易摩擦も何のその?

キーワード :
, ,
中国の大手家電メーカー、シャオミがEV市場に参入した。その第1弾となるSU7は、高性能ながら低価格を実現した競争力の高いモデルで、テスラなど既存の大手EVメーカーにとって大きな脅威となりそうだ。

SU7がもたらす車内革命

 当面の市場である中国国内では、メディアの反応も上々だ。

「技術レベルの高さはさることながら、あのデザインと質感を実現したことに驚いた」
「価格と性能のバランスは、間違いなく業界トップ」

など、SU7を称賛する声が相次いでいる。中国政府が充電インフラの整備を急ピッチで進めるなかで、SU7は満を持して登場した理想的なEVといえる。

 SU7の破格の価格設定は

「EVを安く売って他で稼ぐ」

というシャオミの戦略を表している。同社はスマホ事業で、ハードの利益率を極限まで下げ、ソフトやサービスで収益を上げるビジネスモデルを確立してきた。EVでも、同様の戦略を展開する構えだ。

 SU7には、前述した小愛同学が深く組み込まれている。例えば、車内のエアコンやオーディオ、ナビゲーションなどを音声で操作できる。「小愛同学、会社まで最速ルートで」と話しかければ、渋滞を避けた経路を提示してくれる。駐車場に着いたら、スマホを使って空いている駐車スペースを探すことも可能だ。

 また、小愛同学を軸に、他社との連携が可能だ。例えば、

・料理宅配「美団」
・シェアサイクル「摩拜単車」
・決済サービス「アリペイ」

などとの連携である。これを用いれば、車内から食事を注文したり、駐車場で自転車をシェアしたり、ワンタッチで支払いを済ませたりもできる。さらに、将来的には保険や安全サービスなどとの連携も視野に入れている。

 こうしたサービス利用の「入り口」となるのがSU7となる。クルマはスマホや家電を含む大きなシステムの一部として位置づけられるわけだ。シャオミはEVの将来像である「所有」から「利用」へとユーザーの意識のシフトを真っ先に実現させようとしているのだ。

 したがって、シャオミのEV市場への参入は、モビリティ産業の変革を加速させる効果がある。CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)トレンドは新たな局面を迎えている。

全てのコメントを見る