ベントレーが「SUV市場」に進出した5つの理由 高級サルーンの金字塔だったのになぜ?
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1919年に創業した英国のベントレーは、創業当初から高級サルーン車の製造に注力してきた。しかし2015年11月、同社は路線を変更し、SUVのベンテイガを発表した。この変化の背景には何があったのだろうか。
参入激しいSUV市場
ベントレーがSUV市場に参入したもうひとつの理由としては、
・JLR(ジャガー・ランドローバー)レンジローバー
・ポルシェカイエン
などといった、他社の高級SUVが軒並み人気を博したことも影響している。
JLRの2023年度の年次報告書によると、2022年4月から2023年3月にかけて、売上高が約228億ポンド(約4兆3216億円)となり、前年に対して24.5%増加。SUVをメインにラインアップするレンジローバーにおいても、登場する新車が軒並み人気を博している。レンジローバーやベントレー、ロールス・ロイスといったものはすべて、伝統的な超高級車ブランドという同じセグメントにあるため、競争が一層激化することを示している。
そしてポルシェ・カイエンに至っては、2022年で9万5604台を売り上げ、ポルシェの全ラインアップの中でもトップの売り上げ台数を誇った。
こうした動きは、SUVが単なるトレンドではなく、自動車市場における重要なセグメントとして定着していることがわかる。超高級車メーカー各社は、SUV市場への参入によって、ブランドイメージの更新、顧客基盤の拡大、そして売り上げの増加を図っており、ベントレーも同様に自社のSUVを市場に投入する必要があったと考えられる。
そんなプランが功を奏したのか、こんな吉報が。ベントレーモーターズによると、2022年度の通期決算において、前年度比82%増の7億800万ユーロという好業績を上げたほか、売上高利益率もベントレー史上最高記録を達成。ベンテイガも、同年のベントレーの売り上げ全体の
「42%」
を占めるという売り上げトップを誇った。