「車内ガラガラ」「都心部と思えない」 京阪電鉄・IR撤退リスクで中之島線延伸の判断先送り、夢洲はまた“負の遺産”に逆戻りか?

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京阪ホールディングスは、大阪市内を走る京阪中之島線の延伸決定を延期した。同社は、2030年に夢洲に開業予定の統合型リゾート(IR)の先行きが不透明であることを理由に挙げている。

夢洲のイメージ問題

1985年頃の夢洲(画像:国土地理院)
1985年頃の夢洲(画像:国土地理院)

 夢洲は大阪湾に浮かぶ広さ約390haの人工島。大阪市が1977(昭和52)年、埋め立て免許を取得し、大阪港のしゅんせつ土や公共工事の建設残土、廃棄物で埋め立てた。6万人が居住する新都心とするテクノポート計画も打ち出している。

 だが、構想はバブル崩壊でとん挫した。その後の1990年代は大阪五輪の選手村を整備する計画が浮上したものの、五輪招致に失敗して跡地利用が宙に浮く。

 大阪市だけで

「3000億円」

ともいわれる巨額の投資をしながら、夢洲にはコンテナターミナルや物流センターが一部にできただけ。大半は長い間、手つかずの状態で放置されてきた。その結果、夢洲は「負の遺産」と呼ばれるようになる。

 大阪維新の会は「負の遺産」解消を目指し、IR誘致に踏み切ったが、夢洲に対する悪いイメージはぬぐいきれない。夢洲を会場に開幕まで1年を切った大阪・関西万博の混乱も影響しているように見える。

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