「車内ガラガラ」「都心部と思えない」 京阪電鉄・IR撤退リスクで中之島線延伸の判断先送り、夢洲はまた“負の遺産”に逆戻りか?

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京阪ホールディングスは、大阪市内を走る京阪中之島線の延伸決定を延期した。同社は、2030年に夢洲に開業予定の統合型リゾート(IR)の先行きが不透明であることを理由に挙げている。

負の遺産・夢洲に市民は複雑な感情

展望台から見えた夢洲(画像:写真AC)
展望台から見えた夢洲(画像:写真AC)

 京阪HDの判断先送りについて、大阪府市のIR推進局は

「中之島線は構想段階。IR整備計画のアクセス路線に入っていない」

と述べ、影響はないとの考えを示した。だが、京阪HDは地元企業など20社で組織する大阪IRの少数株主に入っている。

 IR計画の初期投資額約1兆2700億円のうち、出資額は約7200億円。中核株主の米MGMリゾーツの日本法人・日本MGMリゾーツとオリックスが約43%ずつ、少数株主20社が約15%の比率だ。京阪HDの出資額は大きくないが、市民の間で

「株主が判断を先送りする以上、撤退があるのでは」

などのうわさが出ている。

 大阪IRの事業計画では、資金調達など会社のかじ取りを中核株主の2社で進めるとしている。常識的に考えて中核株主が少数株主に撤退情報などを漏らすとは考えにくい。京阪HDもうわさを否定している。それなのに、疑念が上がるのは、夢洲が大阪市の

「負の遺産」

となってきた過去に市民が複雑な感情を持つからだろうか。

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