物流危機の本質! トラックドライバー自体は増えているのに、人手不足がさらに“深刻化”するワケ なぜ相反するのか?

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トラックドライバー不足が社会問題になっている。しかし、実はトラックドライバーの数自体はここ数年微増傾向にある。では、なぜトラックドライバーが不足しているのか。

ドライバー不足原因「高齢化」「2024年問題」

ドライバーの高齢化は年々進行しており、今や半数が50代以上になってしまった。『日本のトラック輸送産業-現状と課題-2023』(画像:全日本トラック協会)
ドライバーの高齢化は年々進行しており、今や半数が50代以上になってしまった。『日本のトラック輸送産業-現状と課題-2023』(画像:全日本トラック協会)

 もちろん、業績好調で「ドライバーを増やさないと仕事が回らない」という運送会社もあるだろう。一方で、運送業界全体で課題となっているドライバー不足の原因もある。高齢化と2024年問題である。

 ドライバーの高齢化は年々進行している。今や、半数が50代以上で、20代は9%(2022年実績)しかいない。厄介なのは、20代、30代、40代が年々減少していることだ。

 現状、ドライバーの数は増えているといっても、この年齢構成を見ると、5年後、10年後に深刻なドライバー不足に陥るのは目に見えている。現在、ドライバー採用を行っている企業の多くは、ドライバーの若返りを狙っているのだ。

 もうひとつ、厄介なのは2024年問題である。残業時間に上限が課されたことによって、今まで同様の仕事量がこなせなくなった運送会社が、ドライバーを増やすことで仕事量をキープし、売り上げと顧客(荷主)の要望を満たすために、ドライバー採用を行っている。だがしかし、ここに来てドライバーを採用できる運送会社とできない運送会社に、大きな差が生じている。

 後編では、採用情報サイト担当者や現場の声も交えながら、人材確保の二極化が進む現状をリポートする。

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