物流危機の本質! トラックドライバー自体は増えているのに、人手不足がさらに“深刻化”するワケ なぜ相反するのか?

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トラックドライバー不足が社会問題になっている。しかし、実はトラックドライバーの数自体はここ数年微増傾向にある。では、なぜトラックドライバーが不足しているのか。

宅配便増加、一部運送会社の負担

配達中の白い軽バンイメージ(画像:写真AC)
配達中の白い軽バンイメージ(画像:写真AC)

 軽バン配達員の実数について信頼できる統計は存在しないが、軽バン配達員の相棒である営業用軽バンの登録台数は、2016年から2021年までの5年間でなんと

「31.4%増」

の21万9400台まで増えている。軽バン配達員のうち、配達専業者は64%にすぎないため、22万台弱の軽バンが常時稼働しているわけではない。しかし、ECの宅配を担う軽バン配達員が増えていることは確かだ。

 ECの増加が“一部”の運送会社の負担になっていることは間違いない。先の3社の下請けとして働く運送会社もあり、独立系の軽バン配達員が増えたとしても、ECの輸送を担う運送会社の負担は増えているだろう。

 しかし、そもそも国内トラック輸送に占める宅配便のシェアは重量ベースで数%に過ぎず、これに一部のECプラットフォーマーが行う自前物流を加えたところで、たかが知れている。これについては、拙稿「個人が宅配を始めても『ドライバー不足』は全然解消しない! そもそも『運送 = 宅配』は完全な間違いだった」(2022年10月16日配信)で詳しく解説した。

 繰り返しになるが、ECの拡大で負担を強いられているのは限られた運送会社であり、運送業界全体のトラックドライバー不足に与える影響は限定的なのだ。

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