物流危機の本質! トラックドライバー自体は増えているのに、人手不足がさらに“深刻化”するワケ なぜ相反するのか?
トラックドライバー不足が社会問題になっている。しかし、実はトラックドライバーの数自体はここ数年微増傾向にある。では、なぜトラックドライバーが不足しているのか。
EC増加でドライバー不足深刻化
ドライバー採用の有効求人倍率の上昇は、多くの運送会社が
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「ドライバーが足りない」
と考えているということだ。ドライバー数は微増ながら増え続けているが、ドライバーが足りない――。その原因を探ってみよう。
自家用・営業用トラックによる国内貨物輸送量は、過去11年間減少し続けている。つまり、貨物の総量は増えていないのだ。
そこで考えられるのは、EC(電子商取引)の増加である。実際、2023年度の宅配便取り扱い個数は50億個の大台を超え、2018年度の46億700万個から50億600万個に達し、5年間で9%弱の増加となっている。
しかも、この取り扱い個数にはアマゾンなど一部ECプラットフォーマーの自前物流の取り扱い個数は含まれていないため、実際のEC物流の総取り扱い個数はもっと多いと思われる(アマゾンは自前物流の取り扱い個数を公表していない)。
しかし、EC物流が閉じたビジネスである理由はふたつあり、物流業界全体への影響は限定的である。
まず、宅配便はヤマト運輸、佐川急便、日本郵便の3社で全体の
「95%」
を占めている。一方、日本の運送会社の数は6万3000社強である。では、ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便以外の運送会社は何を運んでいるのか――という話だ。
また、近年、EC事業者による個人宅への配送は、軽バンを駆る個人事業主の軽貨物自動車運送事業者(以下、軽バン配達員)に大きく依存していることにも注目したい。実際、軽バン配達員の数も大幅に増加している。