再現事故がリアル過ぎ? 交通安全教室の“怖がらせ教育”は本当に有効なのか

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近年、さまざまな研究によって、子どもたちへの「怖がらせる教育」には限界があることが明らかになっている。なぜだろうか。交通教育から読み解く。

「怖がらせる教育」の限界

小学校入学式後の教室のイメージ(画像:写真AC)
小学校入学式後の教室のイメージ(画像:写真AC)

 あなたは子どもの頃、学校の校庭に警察官がやってきて、スタントマンが車にぶつかる実演を見せられたことがあるだろうか。あるいは、自転車に乗ったマネキンが車にひかれてバラバラになるのを見たことがあるだろうか。

 このように「怖い体験」を通じて、事故の恐ろしさを知ってもらい、事故に遭わないように気をつけさせようというアプローチは広く行われている。免許更新の際にも、事故を起こしたために人生が台無しになった人の体験談ビデオを見たことがあるのではないだろうか。

 しかし、さまざまな研究からこの「怖がらせる教育」には限界があることがわかっている。怖がらせる教育が後の追跡研究で実は逆効果だったことがわかった事例として有名なのが、犯罪予防を狙った

「スケアードストレートプログラム」

である。

 この教育プログラムは、若者たちを犯罪から遠ざけることを目的に1970年代に米国で始まった。若者を刑務所に連れて行き、受刑者たちから刑務所の生活の厳しさを語ってもらい、犯罪の道を選ばないよう強く警告するという内容だ。このプログラムはドキュメンタリー映画「スケアードストレート!」にもなり、大きな反響を呼んだ。

・プログラム直後の青少年の感情的な反応
・映画で取り上げられた成功事例

から「効果的だ」という誤解が広がった。しかし、後の科学的な追跡研究では、このようなプログラムが犯罪抑止効果を持たないばかりか、逆効果である可能性が示されたのだ。

 このような怖がらせる教育の効果が疑わしいという結果は、犯罪予防の分野だけでなく、交通安全教育でも数多く報告されている。

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