「もう我慢の限界」 春の京都“観光公害”で地元民うんざり、迷惑行為に「ここはテーマパークじゃない」の声 もはや規制手段しかないのか

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春の観光シーズン、京都市内は訪日外国人観光客であふれかえり、大渋滞が発生している。これまでの対策も十分とはいえず、市民は我慢の限界に達している。

迷惑行為で市民の我慢限界

通行禁止となる祇園の小袖小路(画像:高田泰)
通行禁止となる祇園の小袖小路(画像:高田泰)

 観光客の迷惑行為も目立つ。

 茶屋が並ぶ古い街並みが風情を感じさせる東山区祇園の花見小路周辺では、私道のなかに入り込み、禁止されている写真撮影をする訪日客が後を絶たない。

 舞妓(まいこ)さんが取り囲まれて動けなくなったり、勝手に家のなかに入られたりすることも過去に度々あった。

 住民の厚意でこれまで通り抜けを認めてきたが、地元の協議会はやむなく、私道のうち奥に舞妓さんの置き屋を兼ねた茶屋がある小袖小路を観光客立ち入り禁止にする方針。近くの飲食店で働く40代の女性は

「テーマパークと勘違いした観光客がいる」

と憤っていた。

観光地への負荷、ゴミ問題深刻化

外国人観光客が大和大路通に投棄したごみ(画像:高田泰)
外国人観光客が大和大路通に投棄したごみ(画像:高田泰)

 東山区の大和大路通では、中国語を話すグループが駐車場に設置された自動販売機の回収ボックスに無理やりごみをねじ込んでいた。ボックス内が満杯で入りきらないとわかると、カフェの袋にごみを詰めて回収ボックスの横へ。声をかけると男性が何か叫んで鴨川の方向へ走り去った。

 清掃員の男性に聞くと、コロナ禍が一段落して訪日客数が戻ってから、朝になると大量のごみが捨てられていることが珍しくないという。

「市民の我慢も限界がある。役所にきちんと取り締まってもらわないとどうしようもない」

と不満を口にする。

 市は渋滞対策のため、自家用車での観光自粛を呼び掛けているが、五条坂を歩くと他の都道府県ナンバーの車に多数出くわした。大阪や滋賀、奈良など近くの府県ナンバーが多いが、練馬、品川、熊本、浜松ナンバーなど遠くから来た車も。

 熊本ナンバーの乗用車に乗った大学生のカップルは渋滞でイライラが募ったのか、

「京都はバスに乗れないと聞いたので、車で来た。何が悪いの」

と切れたような口ぶりで答えた。

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