EV失速の本質! なぜ物事を「急進的」に進めてはいけないのか
消費者が望まないBEVへの移行を性急に進めようとする人々がいる。そこで本稿では、BEVを題材に、「急進的」であることのリスクを分析する。
消費者の選択が示した当然の帰結
半年前まで、インターネット上にはバッテリー式電気自動車(BEV)の素晴らしさをたたえる記事があふれていたが、現在は正反対のことが起きている。
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テスラは、新しいもの好きで環境意識の高い消費者を引きつけることで先行者利益を得たが、一般消費者は他人の思惑に惑わされることなく、自分のライフスタイルに合った製品を購入する。
こうした消費者の自然な行動が、高価なBEVの売れ行きを鈍らせてきた。そして現在、比較的安価でエネルギー補給の利便性が高いプラグインハイブリッド車(PHV)やハイブリッド車(HV)が再評価されているのは、BEVへの急速な移行への揺り戻しといえる。
多くの国が、BEVを唯一の脱炭素モビリティーとして早期の移行を宣言した。しかし、目標日程はあるが、背反やリスクを解決する明確な計画はない。
そして、消費者が望んでいないBEVへの性急な移行を進めたい人たちがいる。誰が、何のために――。次の動機を筆者(北河定保、自動車ジャーナリスト)は否定はしないが、知っておく必要はあるだろう。
・政策立案者:自分たちが立てた気候変動目標を達成して存在価値を高めたい
・投資家:インフラ企業や、新興BEV企業に投資して利益を得たい
・新興企業:ブームをあおって投資や助成金を獲得したい
というわけで今回は、物事を
「急進的に進める」
リスクについて、BEVを題材に分析する。