「すごい長蛇の列!」 福岡空港の国内線駐車場が1日11時間も“満車”だった驚きの事情
待ち時間の急増
旅客数がコロナ禍前の水準に戻りつつあった2023年春、福岡空港の国内線ターミナル周辺では異様な光景が繰り広げられていた。駐車場の入り口から長い車の列ができ、動かないのだ。
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当時、テレビのニュースやインターネットのニュースでも福岡空港の駐車場の混雑ぶりが報道されていた。
「福岡空港国内線の駐車場には長蛇の列ができています」
「駐車場の列に並び、空港に入るまでに1時間かかった」
あれから1年がたち、筆者(上野真紀子、フリーライター)が実際に空港を訪れてみると、駐車場問題は少し解消されているようだった。そもそも駐車場の混雑はなぜ起きたのか。そして、その混雑はどのようにして徐々に解消されてきたのか。そして、今後どのように変化していくのだろうか。
ニュースで報道された福岡空港の駐車場「満車」問題は、実際にはどのようなものだったのだろうか。
当時、福岡空港には国内線用の駐車場がひとつしかなかった。国内線ターミナル前に約860台収容できる立体駐車場があるだけだった。
コロナ禍時は全便が運休し、空港自体も発着しない時期があったため、駐車場も空港自体も閑散としていたが、2023年には利用客数も平常に戻り、週末便は満車が目立つようになった。
多くの人々が飛行機を利用するようになり、空港はにぎわいを見せていたが、外に出て駐車場を見渡すと、赤い「満車」のランプが光っていた。そして、駐車場をぐるりと一回りするほどの何十台もの車の列が見られ、なかなか前に進まない。2023年のある週末には、1日平均11時間も駐車場が満車だった。
駐車場のほかに十台ほど止められる臨時の降車用駐車スペースがあるが、そこも満車で入れそうにない。止めたくても止められない、降りたくても降りられない状態だった。
当時、筆者はグランドスタッフとして働いていた。予約した便に乗れるかどうか心配のあまり、「駐車場に車を止められず、チェックインに遅れる」と、車内から予約センターを通じて連絡してきた顧客もいた。