大阪の“南北格差”はさらに広がる? 北大阪急行「延伸」で府南部から漏れる、「大阪市&北摂はズルい」のホンネ

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大阪府北部の北摂地域を走る北大阪急行が箕面市まで延伸された。関西人に人気の北摂エリアはますます便利になりそうだが、このままでは大阪の南北格差拡大は避けられそうにない。

南部の活性化を模索する動きも

再開発計画があるみさき公園の跡地(画像:高田泰)
再開発計画があるみさき公園の跡地(画像:高田泰)

 こうした現状を打開しようと大阪商工会議所は「グレーターミナミ構想」を推進している。大阪市南部の難波、天王寺、新今宮地区と泉州、南河内を一体化して地域振興に取り組む事業で、地元で生まれた新事業を支援し、SNSなどを通じてPRしている。

 構想の柱は自然を生かした観光振興や外国人材の定住促進、脱炭素技術の集積。大阪商工会議所地域振興部は

「大阪南部の良さをアピールし、観光やビジネスで南部が存在感を発揮するのを助けたい」

と力を込めた。

 みさき公園の跡地は、岬町が公募型プロポーザル方式(地方自治体などが応募者のなかから最適な民間事業者を選定する手法のひとつ)で事業者を募り、不動産開発のカレイドジャパンを代表とする新会社のアークルと2022年に事業契約を結んだ。アークルは動物園や自然と戯れる場所を備えた子どもの遊び場などを整備し、2027年から順次開業する方針。

 岬町産業観光促進課は

「大阪の南北格差が広がるのは、人の流れが北へ向いているからだろうが、南にももっと目を向けてほしい。みさき公園の後継施設がそのきっかけになれば」

と期待を語った。

 新幹線が通る北部に比べ、国土軸から少しずれた南部は地理的なハンディを持つ。相次ぐ大規模事業で北部の利便性がさらに高まれば、南北格差の拡大は避けられそうもない。現状打開には知恵と工夫で名案を生むしかない。

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