大阪の“南北格差”はさらに広がる? 北大阪急行「延伸」で府南部から漏れる、「大阪市&北摂はズルい」のホンネ

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大阪府北部の北摂地域を走る北大阪急行が箕面市まで延伸された。関西人に人気の北摂エリアはますます便利になりそうだが、このままでは大阪の南北格差拡大は避けられそうにない。

南部の閉塞感と経済凋落

シャッターを閉じた店舗が目立つ泉大津中央商店街(画像:高田泰)
シャッターを閉じた店舗が目立つ泉大津中央商店街(画像:高田泰)

 関西空港は訪日外国人観光客で活気を呈しているが、南部は関西空港がある立地を生かせていない。関西空港に降りた訪日客の大半が南部を素通りし、大阪市へ向かう。コロナ禍前の2019年、南部に30分以上滞在した訪日客は

「5%以下」

しかいなかった。

 南海電鉄が岬町で運営していたレジャー施設のみさき公園は2020年で閉園した。北摂の豊中、吹田両市にまたがる千里ニュータウンは人口減少に歯止めが掛かったが、泉州の堺、和泉両市にある泉北ニュータウンは人口流出が止まらない。南部を取り巻く環境は厳しさを増す一方だ。

 泉大津市の泉大津中央商店街は、南海電鉄泉大津駅の近くにあるが、半数近い店舗がシャッターを閉じていた。駅へ向かう主婦(65歳)に話を聞くと

「大きな事業は大阪市か北摂ばかりだから、泉州はこのありさま。ずるいよ」

と不満をぶつけた。

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