なぜ最近の日本車は“冒険”しなくなったのか? 街には「SUV」「軽ワゴン」ばかりの現実、無個性こそ個性の時代なのか

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近年、新車のデザインに個性や多様性がないという声をよく耳にする。特にクロスオーバーSUVや箱型の軽ワゴンにその傾向が強い。この背景には何があるのだろうか。

無難路線の影響

乗用車ブランド通称名別順位。2024年2月分(画像:日本自動車販売協会連合会)
乗用車ブランド通称名別順位。2024年2月分(画像:日本自動車販売協会連合会)

 ここで、前述した「確実に売れる無難なモデルだけに集中すべきだ」という自動車メーカーの迷走が再び頭をもたげてくる。

「無難なモデルだけに集中」ということは、売れ行きの悪いモデルはちゅうちょなく整理することを意味する。その結果、セダンやクーペは一部のマニアックなモデルを除いて、多くの自動車メーカーから淘汰(とうた)された。

 セダン、クーペ、ハッチバックからクロスオーバーSUVへ。この流れは世界中で見られた現象だが、日本ではどこよりも顕著だった。トヨタでさえ、セダンとクーペのモデルはわずかしか残っていない。

 自動車メーカーが売れ筋モデルしか作らないことを、“冒険精神の放棄”と切り捨てるのは簡単だ。しかし、企業にとって利益の追求が重要な要素であることはいうまでもない。

 冒険は技術者や経営者の気分を高揚させ、うまくコントロールできれば企業のイメージアップにもつながる。しかし、それが経営環境の改善に直結するとは限らない。冒険をやめた日本の自動車メーカーの選択が本当に正しかったかどうかは、今後の状況を見てから判断しても遅くはないだろう。

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