「乗り換え不便」 北陸新幹線・敦賀延伸 収益確保が生んだ皮肉な帰結、それなら敦賀駅をテーマパーク化してはどうか?
2024年3月16日、北陸新幹線金沢~敦賀間125.1kmが開業した。当日の様子と今後の課題について考察する。
北陸新幹線の拡大

1997(平成9)年10月1日、高崎~長野間が開業した。同日に、軽井沢~篠ノ井間は三セク・しなの鉄道へ移管され、横川~軽井沢間は廃止された。
住民などは、横川~篠ノ井間のJR東日本としての鉄道事業廃止に対して、国に許可の取り消しを求めて行政訴訟を提起したが、第一審・控訴審ともに、原告適格がないとして却下された。整備新幹線開業に伴う地域輸送サービス水準低下の問題が法廷で審理された点で、特筆すべき事例である。
2000年12月18日の政府・与党申し合わせで長野~富山間、2004年12月16日の政府・与党申し合わせでは長野~金沢車両基地(白山総合車両基地)間のフル規格整備および福井駅部の整備の方針が決定された。
2011年12月26日、政府・与党確認事項で整備新幹線の着工5条件(安定的な財源見通しの確保、収支採算性、投資効果、営業主体であるJRの同意、並行在来線の経営分離についての沿線自治体の同意)のうち、財源確保以外の残余の条件を満たすなど所要の手続きを経たうえで、白山総合車両基地~敦賀間を着工する方針が決定した。
2012年には国土交通省が、敦賀開業時に大阪方面との直通を可能とするため、フリーゲージトレイン(FGT)の導入方針を固めたことがマスメディアで報道される。同年6月29日に金沢~敦賀間の着工が認可された(『JRTTウェブサイト』)。