民営化の公約「地方優先」は結局、守られたのか?【短期連載】国鉄解体 自民党「1986年意見広告」を問う(1)
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JR各社の戦略

JR各社は、老朽化した車両の更新やイメージアップなどを狙って、新型車両を投入した。
例えば、民営化翌年の1988(昭和63)年には、JR東日本が常磐線特急に新型特急車両651系を投入した。JR西日本は私鉄との競合が激しい京阪神エリアの路線に
「明るく、静かで、快適な居住性を持つ新形通勤用近郊形電車」
と銘打った新型車両221系を導入した(鉄道友の会ウェブサイト)。1990(平成2)年には、JR東海が300系の試作車を完成させ、1992年3月14日のダイヤ改正日から運行を開始した最速達列車「のぞみ」で使用した。
また、車両以外でも、国鉄時代には実現できなかったサービスが次々と打ち出されることとなる。JR東日本は、新宿経由による東海道本線方面と東北本線方面の直通運転を2001年12月1日に開始した。さらに、2015年3月14日のJRダイヤ改正で、上野止まりだった東北本線列車線(中距離電車)の線路が東京まで延伸され、東北本線・高崎線・常磐線と東海道本線の直通運転が開始された。
これにともない中距離電車だけなく、常磐線特急「ひたち」「ときわ」の多くの列車が、東海道本線に直通し、品川発着となった。このように、JR発足後、東京圏ではJR在来線の直通運転が拡大し、利便性が向上した。
また、東京圏以外でも、JR西日本は、京阪神を結ぶ「新快速」を磨き上げた。1999年5月10日の同社ダイヤ改正では「新快速」の一部列車の最高時速を130kmに引き上げ、さらには関係自治体の費用負担を得て北陸本線長浜~敦賀間を直流電化へ変更し(「北陸本線・湖西線輸送改善(直流化)計画の概要」『滋賀県ウェブサイト』)、2006年10月21日に「新快速」を敦賀へ延伸した。「新快速」は沿線を変えた、との評価も見られる。
JR東海は、東海道本線豊橋~名古屋間を中心とする区間において、1986年11月時点では多くても日中時間帯に1時間に1本程度の運行にとどまっていた快速を、2024年1月時点で多い時には10分間隔で運行し、かつほぼ終日運行している。
スピードアップも図り、1986年11月時点と比べて、豊橋~名古屋間で所要時間は7分程短縮した。豊橋~岐阜間などで競合する名古屋鉄道に対して競争力を高めたといえる。