自動運転「無人タクシー」2025年実現も 西新宿の実証実験で明らかになった“2つの重要課題”
西新宿エリアで2022年1~2月に行われた、自動運転移動サービスの実証実験。2023年度のサービス開始を目標に、残された課題を検証した。実現のための“ラスト・ワンマイル”とは果たして?
自動運転への不安をどう解消するか
むしろ難しいのは、利用者の自動運転に対する不安をどうやれば取り除けるか、いわゆる社会的受容性を高める方法だと思う。将来、一般車も入り交じる公道をドライバーなしに走行するようになれば、それこそ多くの人は安全面で不安に感じるはずだ。
そこで実験では遠隔による「自動運転安心見守りサポートサービス」の実験も行われている。これは損保ジャパンがかねて実験を重ねて来たサービスで、中野区中野坂上にあるコネクテッドサポートセンターから5G回線経由で、乗車中の留意事項などを伝えたり、車両に異常が発生した際に乗客に呼びかけたりしてトラブルの解消を図る。
さらに損保ジャパンは自動運転実証実験におけるリスクの洗い出しも行い、実証実験を安全に行うソフト「自動運転リスクアセスメント・デジタルリスクアセスメント」を開発。これにより走行環境のリスクを定量的かつ客観的に可視化できるようになり、実用化に向けた様々な提言が行えるようになったとする。
東京都ではこの実験とは別に、新宿西口のほぼ同じルートで座席定員14人の小型バスを使った実証実験を1月8日~25日のスケジュールで実施済み。こちらも5Gを使った遠隔監視で運行しており、乗務員不足などの課題解決を図る目的で実施されている。
東京都では西新宿エリアの関係団体とも連携し、将来の実装を見据えたビジネスモデルを構築していく考えだ。