ボルボがわずか1年で「大型EVトラック」改良 脱炭素化を加速する欧州メガトレンドとは?
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- カーボンニュートラル, ボルボ・トラック, EVトラック, 欧州グリーンディール
ボルボ・トラックは、北米市場で販売する「VNRエレクトリック」の改良版を発売。航続距離は最大440km(275マイル)、バッテリー量は最大565kWhまで拡大。積極的な脱炭素化への取り組みの背景にある欧州委員会の動向とともに紹介する。
実現できる? 8年後トラック半数をEV化
ボルボ・トラックは、2030年までに販売するトラックの50%を電気自動車にするという目標を掲げている。
同社は2019年に電気トラックの連続生産を開始し、2022年2月現在EVトラックのラインナップとして「FH」「FM」「FMX」「FE」「FL」「VNR」の6モデルをそろえる。
2021年7月には、世界的なトラックメーカーであるダイムラートラック、トライトングループの3社と、長距離大型EVトラック向けの高性能充電インフラネットワークの構築・運用で提携を発表。
5億ユーロを投じて2022年に合弁事業を発足させ、5年以内に、高速道路周辺や物流拠点などに少なくとも1700か所の高性能グリーンエネルギー充電ステーションを設置し運用を目指すという。
電動化を後押しする欧州での脱炭素政策
こうした積極的な電動化への取り組みの背景には、欧州委員会が戦略的に進める脱炭素化(カーボンニュートラル)の動きがある。
2020年3月、欧州委員会は「欧州グリーン・ディール」を発表し、EUとして2050年に温室効果ガス排出が実質ゼロとなる「気候中立(温室効果ガスの正味排出量ゼロ)」を達成するという目標を掲げた。