ANA羽田2タミ「国際線増便」の光と影! 内際乗り継ぎ超向上も、逃れられぬ「人員不足」という現実問題
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ANAは、夏ダイヤの初日となる3月31日から、第2ターミナルの国際線の出発便数を16便から26便に増やす。その効果とは。
拡大する業務、人手不足が浮き彫り
今回の動きに対して、最も現実的な問題として考えられるのは、これまで何度も指摘されてきたように、空港で働くスタッフの根本的な不足という問題にどう対処するかである。
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最も深刻な問題は、保安検査員の不足である。筆者は以前から言及しているが、彼らは乗客に罵声を浴びせられたり暴力を振るわれたりするハードな仕事にもかかわらず、それに見合った待遇が受けられていない。その結果、離職率が高く(約30%)、新しい検査員の確保も進んでいないというのが現状だ。
労働環境の改善については、検査権限を法的に明記することで(以前はそれもなかった)、乗客の理不尽な振る舞いから守る体制が形式的に整ったが、それでも日々の業務のなかで心ない対応をされることも少なくない。
その上、人手不足で勤務時間が不規則になっている。なにより、保安検査は主に航空会社の経費で行われているため、
「航空会社のコスト削減指向」
により、給与の改善は一向に進まない。このような状況下で、国際線の取り扱いスペースを拡大した場合、拡大した業務に対応できる人材をどう確保するかが大きな課題となる。