絶望的に少ない大学の「物流専門学部」 日本はグローバル・サプライチェーンの深化に耐えられるのか

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国公私立大学は全国に778校もあるが、物流に特化した学部学科はほんのわずか。今後、この分野における高度人材の育成・確保にはいったい何が必要なのだろうか。

日本の大学でマイナーなロジスティクスコース

トラック(画像:写真AC)。
トラック(画像:写真AC)。

 日本の技術は時として「ガラパゴス」と称される。

 その代表格はガラケー(ガラパゴス携帯)と呼ばれる、日本独自の技術で進化したフィーチャーフォン(通話以外に多彩な機能を持つ、タッチパネル式ではない携帯端末)だ。独自の技術ゆえ、グローバル市場で大きな後れを取ることになる。

 こうした話は主に電気製品で語られるが、実は物流の世界でも起きている。多くの人は「物流の世界のどこがガラパゴスなのか」と疑問を抱くだろう。なぜなら、物流はコロナ禍によってこれまでにない注目を集めているからだ。

 日本ではロジスティクス、つまり物流といえば「現場の仕事」というイメージが強く、ビジネス戦略で主役級に扱われることはほとんどない。そのため、大学で物流専門の学部学科を持つ大学は限られている。

 日本の国公私立大学は778校(2021年12月時点)だが、そのうち「物流」「ロジスティクス」に特化しているのは、

・流通経済大学(茨城県龍ケ崎市)流通情報学部流通情報学科
・東京海洋大学(東京都港区)海洋学部流通情報工学科
・神戸大学(兵庫県神戸市)海事科学部グローバル輸送科学科ロジスティクスコース

のみである。

 物流専門の学部学科が極端に少ないのは、国土の広さも無関係ではない。南北に広くて離島もあるものの、ロジスティクスシステムの構築が

「企業の命運を左右する」

ほどではなかったからだ。そのため、大学新設が増えた平成の30年間でもロジスティクス教育の機運は高まるにことがなかった。

 しかし、市場は国内のみで完結する時代からグローバル化社会へと急速に変貌を遂げている。さまざまな国とビジネスを行う上で「原材料・資材の調達から消費者への供給までの一貫した流れ」を無視できない。今や効率性を上げたり、コスト削減を図ったりするために、戦略が求められるのが当然の時代となっている。