救急車は有料化されていない! 病院の「受診料」が高くなるだけだ
三重県松坂市では、「入院に至らない軽症者」が救急車を利用した場合、病院が選定療養費として7700円を徴収することになった。本稿では、救急車の適正利用を促すための背景と、通院制度について述べる。
高齢者施設による救急搬送依頼

筆者は、松坂市が救急車を切実に求めている背景には、もうひとつの理由があると考えている。それは、高齢者施設の増加と夜間の人員確保である。松阪市では、2020年に「地域包括ケア推進会議」を開催し、「介護施設内における救急搬送の現状と課題について」議論した。
「(救急車に)1名乗ってしまうと、グループホーム自体が人がいない状況になってしまいますので、(救急車に)乗れない状況が発生するということです。対策として~」
が抜粋部分だ。筆者が入手したアンケートのなかには、介護職員による救急車要請の判断が「発熱だけ」というものもあった。これはいわゆる軽症に分類される。
実際に判断するには、「夜間救急病院を受診して救急度の判定」をする必要があるが、少人数で高齢者集団を介護している現状では、救急病院に連れて行くマンパワーの確保が難しい。だから、救急車を呼ぶしかない。自宅にいれば、家族が対応できるだろう。これは介護制度の問題である。
広域的な問題であるため、夜間の救急病院受診に介護タクシーや訪問看護師の自家用車を利用できるような仕組みを、行政委託などで検討する必要があるだろう。