救急車は有料化されていない! 病院の「受診料」が高くなるだけだ
三重県松坂市では、「入院に至らない軽症者」が救急車を利用した場合、病院が選定療養費として7700円を徴収することになった。本稿では、救急車の適正利用を促すための背景と、通院制度について述べる。
松阪市以外も徴収

2018年の厚生労働省通達で流れが変わった。次の文章をご覧いただきたい。
・問:選定療養費の徴収を認めない「救急の患者」とはどのような患者を指すのか。
・答:医療機関の判断、少なくとも単に軽症の患者が受診した場合はその限りではない。(厚生労働省|平成30年3月30日 疑義解釈資料「問220」より抜粋・改変)
つまり、医療機関の判断で救急車を利用した軽症患者から選定療養費を徴収できることが法的に担保されたのである。実際、松阪市以外にも、軽症の救急車患者から選定療養費を徴収している自治体がある。
・日本赤十字社伊勢赤十字病院(三重県伊勢市)
・豊川市民病院(愛知県豊川市)
・半田市立半田病院(愛知県半田市)
などだ。ただ、有料化が報道されることで、救急車の適正利用を促す効果が期待される。海外では、台湾(台北市)の事例が参考になるだろう。
海外消防情報センター(消防庁など関連団体による協議会)の調査によると、台北市の救急車出動件数は13万7000件から8年間で約1割減少している。日本とは状況が異なるため単純比較はできないが、救急車の適正利用の効果を注視していく必要がある。
なお、救急車利用に関する相談は、緊急救援センターが電話番号7119で受け付けている。