「EV = 環境に優しい」は本当か? 普及10年超も、消費者レベルで語られない“LCA”という不都合な真実

キーワード :
, ,
BEVに対する一般的な認識は、温室効果ガスの排出削減という点で環境性能が高いというものだった。これは、ICEVのように走行時に排ガスを出さないことを考えれば当然の結論である。

BEVの環境性能

EVのイメージ(画像:写真AC)
EVのイメージ(画像:写真AC)

 ライフサイクルアセスメント(LCA)は、製品が製造されてから廃棄されるまで、その製品が外部環境に与える影響を評価する方法である。

 これまで、バッテリー電気自動車(BEV)に対する社会一般の評価は、温室効果ガス排出削減という点で環境性能が高いというものだった。これは、BEVが内燃機関車(ICEV)のように走行時に排ガスを出さないことを考えれば、当然の結論だった。

 しかし一方で、LCAに加えたらどうなるだろうか。BEVにとって、LCAは果たしてどのような意味を持つのだろうか。これは、BEVに関心を持つすべての人にとって重要な問いだった。

 BEVが製品として広く流通してから10年以上が経過したが、この点に関する詳細な議論はほとんど行われていない。研究者レベルでの議論は見られるが、消費者レベルでの議論はほとんど見られない。なぜなら、BEVにとってLCAはリスクが高く、ネガティブなイメージに直結しかねないからである。

 そんななか、ミシガン大学とフォードが2022年、共同で興味深い研究を行った。ICEV、ハイブリッド車(HEV)、BEVの製造段階から使用、廃棄に至るまでの温室効果ガス排出量を包括的に評価したLCAリポートである。

全てのコメントを見る