羽田は国内線、成田は国際線 「内際分離」に横たわる光と影、そのベストな使い分けとは?

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「内際分離」という航空用語をご存じだろうか。内際の内は「国内線」を、際は「国際線」を意味する。つまり、民間航空事業において、国内線と国際線の空港を分ける措置のことを指す。

利便性と運賃のバランス

京成成田空港線(画像:写真AC)
京成成田空港線(画像:写真AC)

 とはいえ、成田空港から都心へのアクセスは依然として満足のいくものではない。例えば、成田空港から東京駅まで1時間以内で接続できるのは、JR成田エクスプレスのみで、所要時間は54分である。

 では、国内線に乗り継ぐために羽田空港まで行くとどうなるのか。既存の京成本線を補完する形で2010(平成22)年に開業した京成成田空港線(成田スカイアクセス線)は、時間帯によっては羽田空港までノンストップ運行し、所要時間は約1時間30分である。

 同じく成田空港と羽田空港をノンストップで結ぶ高速バスは、所要時間は約1時間20分と若干早いが、運賃は3600円と京成線の1819円(ICカード運賃)の約2倍である。いずれにせよ、利用できる交通手段が増え、所要時間もある程度短縮されたとはいえ、まだまだ十分とはいえない。

 成田空港と羽田空港で、求められる機能をどのように使い分けるべきか。両空港のよりよい使い方を開発するためのさらなる研究に期待したい。両空港が機能し始めれば、成田も羽田もハブ空港としての価値を高めていくだろう。

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