羽田は国内線、成田は国際線 「内際分離」に横たわる光と影、そのベストな使い分けとは?
「内際分離」という航空用語をご存じだろうか。内際の内は「国内線」を、際は「国際線」を意味する。つまり、民間航空事業において、国内線と国際線の空港を分ける措置のことを指す。
LCC専用ターミナルの設置

羽田空港の国際化にともなう国際線増便で、成田空港が低迷することを危惧する関係者も多かったが、現実は少し違った。国際線の継続的な受け入れに加え、新たな道が開けたのである。それは
「LCC(格安航空会社)の受け入れ」
である。LCCは2010(平成22)年以降、基本的に市場拡大を続けている有望なビジネスといっても過言ではない。
しかし、羽田空港は空港のキャパシティーを拡大したとはいえ、基本的には乗り入れを希望するすべてのLCCを受け入れる余裕はなかった。そんななか、処理能力に余裕のある成田空港は、LCCを受け入れる空港として新たな活路を見いだした。
成田空港には2015年にLCC専用ターミナル(第3ターミナル)がオープンし、その後も拡充が行われ、もはやなくてはならない存在となった。その結果、近年の成田空港を発着する国内線の便数は3倍以上の1日約150便に増加している。
改めて、かつての内際分離は過去のものとなったといっていいだろう。しかし、航空事業において「必要な機能によって空港を分ける」ことは無意味ではない。より効率的な事業運営のためには、やはり分離の施策は重要である。