羽田は国内線、成田は国際線 「内際分離」に横たわる光と影、そのベストな使い分けとは?

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「内際分離」という航空用語をご存じだろうか。内際の内は「国内線」を、際は「国際線」を意味する。つまり、民間航空事業において、国内線と国際線の空港を分ける措置のことを指す。

「ハブ空港」の位置づけ

羽田空港(画像:写真AC)
羽田空港(画像:写真AC)

 そうこうしているうちに、羽田空港では2001(平成13)年に4本目のD滑走路の建設が認可され、2010年に完成したことで、羽田空港の国際化が再開された。つまり、この時点で、施策発足当時の「内際分離」は事実上解消されたのである。

 同時に、「ハブ空港」という新たな空港評価基準が世界的にメジャーとなり、内際分離はさらに存在意義を失った。

 ハブ空港とは、旅客と貨物の処理能力に優れ、国際線から国内線への乗り換えが迅速かつ容易な空港である。さらに、その空港は、特定の航空会社によって、その運行にとって“基幹空港”として位置づけられていなければならない。

 羽田空港の国際化と新滑走路の完成にともなう航空機処理能力の向上により、羽田空港は日本航空と全日空の新たなハブ空港となった。一方、成田空港は国際線は多かったが、国内線への乗り継ぎが悪く、ハブ空港とはみなされていなかった。

 訪日外国人は成田空港で入国審査を受けた後、国内線に乗り継ぐために羽田空港まで2時間近くかかるケースもある。ここで、国内線と国際線の分離の悪い面がクローズアップされた。

 羽田空港の国際化以前、成田空港を発着する国内線は1日平均40便程度といわれており、日本の空の玄関口としては残念な状況であったことは否めない。

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